夏場の熱中症・脱水症状を予防するためには、しっかりと水分補給をすることが大切ですが、一日にどの程度の量の水分を摂れば良いのでしょうか?
今回は、一日に必要な水分摂取量と、効果的な水分補給方法についてまとめます。
一日に必要な水分摂取量 | 夏の水分補給と熱中症・脱水症状の予防
体内の水分量の減少による症状
人間の身体の大半は水分でできており、体内の水分量は成人で体重の約60~65%を占めています。
このうち、体重の2%の水分が失われただけでも、口の渇きや食欲不振、運動能力の低下などがみられ、10%以上になると筋肉のけいれんや循環不全、20%以上になると命にも関わります。それほど人間の身体にとって水分の維持は重要なことなのです。
特に、暑い時期は体の水分が失われやすく、血液もドロドロになりがちです。そのため、脳梗塞や痛風などの生活習慣病は夏に多いことが知られており、予防のためにも十分な水分補給を行うことが大切です。
一日に必要な水分摂取量
一般に、一日に必要な必要な水分摂取量は、成人で「体重1㎏につき50ml」程度といわれます。例えば、体重が50㎏の方は、50㎏ × 50ml= 2,500ml(2.5ℓ)という計算です。
ただし、食事からも約1ℓの水分が補給でき、体内の代謝によっても約0.3ℓの水分が作られますので、実質で一日1.2リットルほどを飲料水等によって補給する必要があるということになります。
また、水分が体外へ出ていく経路としては、尿や便が1.6ℓ、呼吸や汗が0.9ℓ(計2.5ℓ)程度ですが、これらは気温や環境によっても異なります。特に、夏場は汗により大量の水分が失われますので、「喉が渇いた」と感じる前に、余裕をもってこまめに水分補給を行うようにしましょう。
効果的な水分補給のタイミング
水分が不足しがちなポイントとしては、下記のようなものがあげられます。こうしたタイミングでは、意識的にコップ一杯の水を飲むよう心がけるようにしましょう。
朝一起きた直後
睡眠中には意外と多くの汗をかいているため、起きた直後は水分が不足した状態になりがちです。
入浴前・入浴後
入浴時には発汗により多くの水分が失われます。脱水の症状を防ぐため、入浴前と入浴後には必ず水分補給を行うようにしましょう。
運動中
特に暑い夏場などに運動を行う際には、こまめな休憩と水分補給を行うことが大切です。
睡眠前の水分補給
睡眠中は寝汗をかくにもかかわらず、水分補給ができませんので、就寝前には必ず水分を摂取するようにしましょう。
1回の水分補給量
大量の水分を一度に摂取すると、水中毒と呼ばれる症状の原因となることがあります。内臓に負担がかかり、消化機能が低下したり、低ナトリウム血症によって筋肉がけいれんを起こすこともあります。そのため、水分補給は「適量」を「こまめに」行い、一日に必要な水分摂取量を確保するようにしましょう。
熱中症の予防には、発汗によって失われる塩分やミネラルを補給できる飲料が適しています。
まとめ
今回は、一日に必要な水分摂取量と、熱中症・脱水症状の予防に効果的な水分補給方法についてご紹介しました。
夏場は発汗によって大量の水分が失われます。こまめな水分補給を意識して、健康的に暑い季節を乗り切っていきましょう。